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ると以下のように表される。

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ここで、(x'Di,y'Di,z'Di): 物体固定座標系上での各フェンダー圧縮点の中心座標、αdi: 各フェンダーの水平面内でx軸となす角、μi: 受衝板の摩擦係数である。また、fj(x)は各圧縮歪み関数として反力を表したものである。
3. 荷役稼働率
荷役稼働率は上田らによる算出法を基に求める10)。まず、有義波高、有義周期ごとの係留浮体の数値シミュレーションを行い、その結果に基づいて、荷役の可否で規定される荷役許容量揺量を用いて、船種、船型、波向、波周期別に荷役許容波高を求める。荷役許容波高は、数値シミュレーション結果から得られる各有義周期での各動揺振幅の最大値と有義波高の関係を回帰分析し、最大動揺量を荷役許容動揺量以下とする波高として算出する。最後に、算出された荷役許容波高と、設置海域における波高と周期の結合出現確率を用いて、以下のように荷役許容波高を算出する。

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ここで、P:荷役稼働率、H∞: 波高の最大値、T∞: 周期の最大値、Q(H,T): 波の出現確率、W(H,T): 各有義波での荷役可否である。4. 数値計算モデル数値シミュレーションに用いたモデルをFig.2に、その諸元をTable1に示す。計算モデルは、岸壁に直接係留された10,000DWT級程度の一般貨物船を対象としている。計算条件は、Bretschneider−光易型スペクトルから算出した不規則波とし、波の入射方向は浮体の動揺に一番厳しいと考えられる90度方向からとした。係留索には60φのナイロンローブを用い、8本で係留した。フェンダーは、800Hの定反力型フェンダーを用い、8.0m間隔で岸壁に12基設置した。

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Fig.2 Layout of calculation model

Table1 Principal particulars of calculation model

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5. 結果及び考察
5−1荷役稼働率による比較
Fig.2に示したモデル用いて、岸壁前面での浮体の荷役稼働率を算定した。この時、岸壁は完全反射とした。まず、有義波高、有義周期ごとに行った数値シミュレーション結果に基づいて求められた荷役許容波高の1次波強制力のみを考慮したものと長周期変動波漂流力まで含めて考慮したものの比較をFig.3に示す。この荷役許容波高はTable2に示す一般貨物船の荷役許容動揺量に基づいて、各運動モードの最大動揺量が許容動揺量を超過しないように決定したものである。

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Fig.3 Allowable wave height of wharf operation

 

 

 

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